カフェ、コワーキング、アウトドアなどの複合施設「CAWAZ base」。ここを拠点に新しい時代のまちづくりに挑戦

「高い付加価値を生み出し、まちや人に再投資ができる仕組みもつくりたい」

──CAWAZ baseと北川さんが今後目指す姿を教えてください

施設は3年目を迎え、お客様も徐々に増えてきました。日高市を目的地として訪れる人を増やすため、さらに事業を拡大したいですね。点から面でのまちづくりを目指し、3年運営してようやくこの施設の方針が固まってきたと思います。

灯りがともると自然林の中でより魅力的が増す施設の夕景。夜になると星もきれいに見えるという

一方で、まちづくりや会社としての達成度はまだ5%ほどです。会社は僕がいなくても自走できるよう、足腰を強くしていく必要があります。そしてまちづくりに関しては、地域で稼ぎ、最終的に教育・福祉に再投資する仕組みをつくっていきたい。学びたいタイミングで学び、何にも制限されずに人が成長できる仕組みが理想です。

観光というツールで日高市に来てもらい、地域を知ってもらうその先に、地域での生産性を高める仕組みをつくりたい。まちづくりをするためにいつまでも補助金に頼ってはいけないと思います。

CAWAZ base以外にも遊休不動産を活用しようと、今、高麗駅にある空き売店のリノベーションをしています。朝はコーヒースタンド、夜はお酒を飲める場としての活用などを検討しています。また、観光案内とともに不動産情報も紹介し、空き家紹介とリノベーションの双方を組み合わせてサポートするなど、移住者を増やしていく試みにもチャレンジしていきたいですね。

まちづくりはもともと儲かりにくいからこそ、しっかりとしたビジネスマインドが必要だと思います。公共の資源を活用する目線を育てて、小さな単位でも高い付加価値を生み出し、まちや人に再投資ができる仕組みもつくりたいです。それにより、持続的で豊かなまちを住民主体でつくることができると思います。

「地域こそ、稼ぐ力が必要」という北川さん。地域の生産性を高める新しいチャレンジを続けている

(撮影:木村輝 文:アキヤジン)

北川大樹氏
株式会社CAWAZ 代表取締役/株式会社プラスロボ 取締役/株式会社AirSynapse 取締役。世界中をバックパッカーとして回った後、IT企業、VC、留学代理店の立ち上げ、介護系ベンチャーの創業、ITコンサル、教育事業等を経験。日高市にあるCAWAZ baseを拠点としてまちづくり事業を行っている。

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